音楽が開く異世界への扉——ピアノとともに出会った不思議な瞬間

あなたの知らない世界

みなさんは、不思議な話を信じますか?
私は子どもの頃からそういった話が大好きで、夏休みの楽しみは「あなたの知らない世界」でした。

息子を産むまでは敏感で、不思議な体験をすることも少なくありませんでした。ただ、それが決まってというより、ピアノの練習に長時間没頭し、神経が研ぎ澄まされるようなとき に起こることに気づきました。音楽と異次元は繋がっている——そう感じることがよくあったのです。

ケープコッドのソプラノ

昔、マサチューセッツ州ケープコッドにあるパートナーのご両親の別荘を何度か訪れたことがあります。そこは、古き良きアメリカを感じさせる邸宅。庭が広く、映画に出てくるようなキッチンやリビング、映画鑑賞室兼音楽室にはスタインウェイのピアノまでありました。

さらに、マリーナには寝泊まりできる大きな船があり、島までセーリングをしたり、絶品のクラムチャウダーを食べたりと、東海岸の夏を満喫。

…でも、私はこの別荘が怖くて仕方なかったのです。

ピアノのある音楽室の前には長い廊下があり、その先にはガレージへ続く扉がありました。この扉の前を通るたびに、昼間でもどんよりとした暗さと異様な空気を感じていました。

そして、あの日——Mozartのソナタを練習していたときのこと。

天国に昇るような美しいメロディーを奏でていたその瞬間、

「Ah~~~~~~~~~」

突然、ソプラノの歌声が部屋いっぱいに響き渡ったのです。

!!!!!!!

私は全速力で家の中を駆け抜け、無我夢中で外へ飛び出しました。庭でガーデニングをしていたパートナーとお父様に、「今、ソプラノの声が…!!」と必死に伝えると、お父様は落ち着いた様子でこう言いました。

「それはきっとおばあちゃんの声だよ。彼女は亡くなる直前までコーラスでソプラノを歌っていたんだ。君のピアノと一緒に歌いたくなったんじゃないかな。」

それは…光栄です。

この話には後日談があります。

休暇を終えてワシントン州に戻ると、どこからともなく話し声が聞こえるようになりました。飛行機の気圧で耳の調子が悪くなったのかと思いましたが、それは1週間以上続きました

そして、日本に帰国したとき、友人のお母様の知り合いである「宣伝をしない霊能者」の方に会う機会がありました。

私が部屋に入るなり、その霊能者は開口一番——

「あなた!すぐにこちらへ!」

言われるがまま横になると、お腹や背中の上をサッサッと祓い始めました。

そして次の瞬間、

「海が見える…あなた、入江の別荘にいたわね。」

えっ!?

私は何も話していないのに、その方は別荘の家のレイアウト滞在中の出来事を次々と言い当てました。そしてこう続けたのです。

「ものすごく暗い、気味の悪い場所があったでしょう? そこには昔、悲しい出来事があったの。だから、彷徨う魂がいまだに留まっているのよ。」

…ピンときました。あのガレージの扉です。

そして、その方はとんでもないことを言いました。

「あなた、そこから100人以上連れて帰ってきたのよ。」

…え、マサチューセッツからワシントン州、さらには日本まで、飛行機で一緒に??
ただ乗り!? いや、そこじゃない!!!

どおりで、ずっと話し声が聞こえていたわけです…。
その方のおかげで、それ以来、奇妙な声はぴたりと止まりました。

地上に舞い降りた天使

渡米した頃、グランドピアノを弾きたくなると、近くの教会へ行って弾かせていただいていました。まだ20代前半で、右も左もわからないような状態。英語も決して流暢とは言えなかった私に、温かく接してくれる人がたくさんいました。今振り返ると、感謝してもしきれません。音楽が人との繋がりを作ってくれたのは、言うまでもありません。

ある日、いつものように練習をしていると、次第にノリに乗ってきて、気持ちよく弾いていました。ふと右端に目を向けると——

誰もいないはずの場所に、足首から下の素足が見えたのです。しかも、半透明…

!!!!!!!

一瞬、何を見たのか理解できず、次の瞬間には恐怖が背筋を駆け抜けました。よく「幽霊は足がない」と言いますが、しっかりありましたよ!なんとなく男性のイメージが湧きました。足の大きさや、がっしりとした感じからでしょうか。恐怖と驚きで心臓が高鳴る中、必死で気持ちを落ち着かせ、「きっと天使なんだ」と思うことにしました。それでも、その場にいるのが難しくなり、そっと教会を後にしました。

もうひとつ、教会での出来事があります。コンサート本番の前夜、リハーサルをしていたときのこと。ピアノの響きやホールの音の反響を確かめながら、気持ちよく弾いていました。

そのとき——

ふと横を見ると、反対側の壁にパーーーーーーっと輝く十字が浮かび上がっていたのです。

本当に大きく、高い壁の下から上まで届くほどの眩しい光の十字!

!!!!!!!

とっさに外へ出て、冷静になろうと深呼吸しました。午後8時ごろだったと思います。周囲には車が走っていたので、きっとヘッドライトの光が反射したんだろう——そう考えて無理やり笑顔を作り、教会へ戻りました。

もう一度、ピアノの位置から反対側の壁を見上げると——

そこは、どう考えても車のライトが当たるはずのない場所でした。

あれは、次の日のコンサートを応援してくれている天使のサインだったのかもしれません。そう思うと、不思議と心が落ち着き、静かな余韻を感じながらその夜を過ごしました。

天国への扉、宇宙への柱

教会という神聖な場所で、清らかな気持ちで音楽と向き合っていると、天国の扉が開き、天使が舞い降りてくるのでしょうか。それとも、音楽は宇宙とさえ繋がることができるのでしょうか。

ある日、教会でラフマニノフのエチュードを練習していると、気持ちが高揚し、まるで音が宇宙に届きそうな感覚に包まれました。完全にナチュラルハイになり、音楽に身を委ねていたそのとき、練習を見たいと言ってくれていた友人が静かに入ってきていました。

彼女は特別な感覚を持つ人で、その力があまりにも強く、途中でキャリアを変えて本業にしてしまったほどです。練習が終わると、彼女はふとこう言いました。

「さっき、理恵さんの頭から宇宙に向かって金色の光が伸びていたよ。」

ちょうど私が気持ちよく弾いている頃のことだったそうです。ナチュラルハイのときは、本当に宇宙まで飛んでしまうのかもしれません。彼女の言葉に驚きつつも、どこかおかしくて、思わず笑ってしまったのをよく覚えています。

私たちが奏でる音楽は、この世のものではないのかもしれません。演奏者は、まるでイタコやチャネラーのような存在。何百年も前に書かれた音楽を現代に蘇らせ、作曲家の魂と対話するメッセンジャーのような役割を担っているのではないかと感じることがあります。

私が不思議な体験をするのが練習中であることが多く、特に教会での出来事が多いことも、その考えを裏付けているように思えます。演奏によって呼び寄せられる何か——それは聖霊なのか、あるいはもっと広大な宇宙のエネルギーなのかもしれません。

信じるか信じないかは、あなた次第です。

rieando

はじめまして、安東理恵です。 桐朋学園大学を卒業後、90年代に渡米。2021年に帰国。現在もリモートでアメリカ在住の生徒たちを教えています。 email: rieandopiano@gmail.com

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